4月9日台東リバーサイドスポーツセンターにおいて恒例の古武道振興会による日本古武道大会が開催されました。
演武会の冒頭に新役員の発表がありました。
著名な古流の先生方が役員をされることなりました。わが大東流も近藤勝之本部長が常任理事に任命されました。私たちも武道発展と保存の為にお役にたてればと意を強くいたしました。
当日は本部長の代理として本部指導員の皆さんと演武をしてまいりました。 一般観客の皆さんにとっては、おそらく初めての大東流の演武、また他流の先生方の目前での演武はなかなか気を使うものです。 一番重要視していることは、礼法です。上座や観客の位置関係。礼を失することの無いように注意深く履行していきます。技の練習は当日しませんが、出入りには必ず確認してから演武を行います。その次は本部長に日頃から厳しく指導いただいている武道としての6要素をいかに表現できているかに気を使って行います。これからも大切にしたい心構えと思っております。
日頃から入退場の礼法や神前に対しての礼法が違うことを疑問に思っていました。
この大会で多くの先生方にお聞きすることができました。神道流の飯篠先生、大竹先生。柳生新陰流の柳生先生。立見流の加藤先生。一刀流の宮内先生。当流の本部長を交て意見交換ができたこと、とても勉強になりました。
英信流抜刀兵法の森本先生に西の道場は土間作り、関東以北は床張り道場。よって礼法は異なるとのご意見をいただきました。他流の先生方が集まる大会ならでは学びでした。ご指導いただきました先生方に改めて感謝申し上げます。
3月12日に伊勢崎市文化会館にて伊勢崎市重要無形民俗文化財指定を記念して古武道大会が開催されました。全国から15流派が参加しとても盛大な大会になりました。
水科先生のご苦労と努力の多さに頭が下がります。誠におめでとうございます。
無形文化財は、演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、日本国や地方公共団体にとって歴史上又は芸術上価値の高いものを、「無形文化財」と定義しているようです。
気楽流柔術は、加賀藩主前田利家の家臣であった戸田越後守信正を流祖とする剣術、槍術、柔術を伝える総合武術です。現在伝承されているのは、柔術、棒術、鉄扇之術、十手之術、太刀之術、薙刀之術、契木(ちぎりき)之術、鎖鎌之術からなる180手だそうです。江戸時代中期には群馬県内に伝えられたとされ、1800年代には、伊勢崎地方での伝承が行われたようです。現在水科先生が第19代宗家として継承されています。
当日は本部長の代理として本部指導員の皆さんと演武してまいりました。
秩父34観音、坂東33観音、西国33観音を昨年巡り終え、信州の北向観音、善光寺、100観音終了の秩父水潜寺にお参りをさせていただき結願いたしました。秩父34観音は100km、坂東33観音は1300km、西国33観音は1000km。信州への旅を含めると悠に2500kmは走った計算になります。北海道宗谷岬から鹿児島の佐多岬をはるかに超える距離です。
古人は当然歩いての巡礼ですからその苦労はいかばかりかと拝察されます。もちろん私は車を使っての巡礼ですからその距離を歩いたわけではありません。しかし駐車場から観音堂までの参拝路の多くは石畳の階段です。最も遠いところでは1時間半ほどの山道を歩かなければ到達できません。目的地まで歩くことには意味がある。そう感じざるを得ないのです。山道の階段は体に相応の負荷がかかります。この負荷に堪え登っていくと、雑談は消え無口になりひたすら登りを強要されます。これが一種の三昧を生み、心と体が一体化してまいります。そこに手を清め口を清め、読経をし観音様を拝顔する。観音めぐりはこの行の繰り返しです。剣や柔術の稽古を無心に繰り返す、そんな感覚に似ているのです。60歳を過ぎて一度はやってみようと発願しましたが、無形の満足感が感じられます。
無形の中に思わぬプレゼントがありました。それは西国巡礼の途中にありました。流祖新羅三郎義光公のお墓を発見したことです。滋賀県大津市円城寺の山の中にありました。大津市の史跡として地図の片隅にあったものを偶然発見しました。探すこと3時間。山の中をやっとの思いで見つけることが出来ました。昨年に先師武田時宗先生そして惣角先生の墓参りを済ませ、とうとう流祖の墓にお参りが出来ました。大東流を学ぶものとして大いなる意義を感じています。なお一層の精進を誓い、今年も精一杯頑張ります。
今回の本部大会そして本部長指導会は、私ども大東流修行者にとっては聖地北海道網走で行われました。先師武田時宗先生の大東館の場所なのです。私も18歳の時に初めて大東館を訪れて以来、何度足を運んだかわからないほど愛着のある場所であり、先師との思い出の場所でもあります。当道場からは河野2段・新目初段・味岡初段・柳浦1級が参加いたしました。
村田網走支部長の素晴らしい采配で大会運営は元より、先師や惣角先生そして奥様のお墓にお参りすることができました。また、今は使われていない大東館道場も見ることができました。感無量であると共に村田先生のお心遣いに大感謝です。
本部長指導会は大東流の巻物の構成や意味、また大東流柔術と合気柔術の技法の違いなど分かりやすく解説されました。またしっかり本質を学べと一括され、門下生一同身を引き締めて、なお一層の精進を誓いました。
懇親会では先師時宗先生の門下で私の先輩にあたる河野先生、小西先生がご参加くださいました。十代の私が網走を訪れた際、泊めていただいたのは小西邸でした。今でいうホームステーです。ご一家には本当にお世話になりました。当時、先師はまだ会社勤務をされていましたので、稽古は朝、そして昼休み、夜と三部構成で教わりました。残りの時間は教授代理をされていた鈴木新八先生にお願いをしていました。詰まる話、ずっと稽古しているわけです。この時点で腕はパンパンで動きません。それでは可哀そうだということで、小西邸で河野先生の個人レッスンを受けるわけです。三か条の技は河野先生から教えていただきました。感謝しきれない両先輩です。
演武大会は各支部、進歩がみられました。礼法・入退場統一されてきましたし、技法も向上しました。効いている技が随処にみられるようになりました。当道場の参加4名も1,2か条の技、そして一刀流剣術を演武させていただきました。河野純一2段が銀賞をいただきました。全員の更なる精進を祈ります。私は本部長の代わりに、合気の技法や剣と柔術を演武させていただきました。各支部の皆さん、更なる精進をしてまた来年お会いしましょう。
鹿島の大会は2日間にわたって行われます。 10月3日(土)は鹿島神宮の武徳殿で行われる術技交流会と懇親会。 そして4日(日)は鹿島神宮本殿への正式参拝と本殿前での奉納演武会。日本建国・武道の神様である「武甕槌大神」の前での演武となります。
2日間にわたっての交流が計れることにより、日頃の武道の疑問やヒントを他流の先生から頂ける意義ある日でもあるのです。また、反対に流派や術技に対しての質問される恐ろしい日でもあるのです。今回も数人の先生方と意見交換をさせていただきました。
槍術は風傳流、宝蔵院流高田派、尾張貫流と3流派の先生方の演武を拝見いたしました。2間の長さの槍に対しての間盗みは容易ではありません。管槍等の速さは想像を絶するものでした。古来より「管槍は秀て早きもの故、心して向かうべし」とあります。
当流の一本捕に代表される対武器術の基本に変わりはありませんが、行うにはかなりの修練と工夫を伴います。長物対応が5か条技にありますので工夫を重ねたいと思います。演武を観させていただきヒントもいただきました。 何よりも建国神武神である武甕槌大神の御前で演武させていただき、武道を行うものとして最高の喜びです。日本の国の安寧と発展また当流の発展、門下生や道場関係者そして係る多くの皆様の健康安全を祈願させていただきました。